この世で最後の
何でオレこんな固いとこに寝転がってンのかねー。
どーせなら綺麗なオネーサンの膝枕とかよ、それがダメならせめてベッドの上とかあンだろーが。
おまけに寒ぃよ。
暖房ぐらい入れとけっつーの。
ってここ外じゃねぇか。
おー、太陽が眩しいぜ。
輝く太陽!青い空!白い雲!
・・・・・・似合わねぇな、オレ。
人間、いやオレは半妖か。
じゃなくて、ンなことは置いといて、だ。
こーいう時ってやっぱ遣り残したこととか思い浮かぶモンなんだな。
悟空のよ、
八戒やオレはまぁ無理だとしても三蔵を追い越したぐらいデカくなったとこはちょっと見といてやりたかったなー、とか。
八戒のな、
嫁さんやガキんちょどもに囲まれた姿も見たかったかも知んねー、とかよ。
・・・・・・ダッセーな、オレ。
何であいつらなのよ。
第一小せぇよ。
もっと大きな野望とかあンだろ?
例えば両手に美女のハーレムだとか、いや待て待て、両手じゃ二人しかいねぇじゃねーか。
両手両足だ。
それでも四人か。
・・・・・・・・・・・・どっちにしろ少ねーよ・・・・
あ、何かちょっとばかし気ィ遠くなってきたカンジ。
・・・・クソ坊主・・・・・・・・・・・・・
アイツ、もしオレが死んだら泣くかね?
・・・・・・・・・泣かねぇな、絶対。
「こんなとこでくたばりやがって」とか言いそー。
何でこんな時にあのクソ坊主の顔が浮かぶかねぇ。
しかも何よ、ソレ。
人を小馬鹿にした嗤い。
いつもっちゃいつものことだけどよ。
も少し可愛い笑い方出来ねぇの?
・・・・・・・・・・・ある意味怖ぇな、それ。
あ、このヤロ煙草吸ってやがる。
オレも吸いてぇンだっつーの。
ちくしょ、ぜってーオレも吸う!
確かここらへんに入れたハズ、っと。
あー、痛ぇな・・・・・・何でこんなに痛ぇンだよ。
お、あった、あった。
よし、全然オッケーじゃん。
オレもなかなかツイてんじゃねーの?
ぷはー。
美味いねぇ。
はっはっは。ザマミロ、クソ坊主。
おめーだけじゃねぇっつーの。
・・この煙、のろしみてぇにあいつらに見えっかな。
一本ぐらいじゃ無理か。
五本ぐらいまとめて吸ってみっか。
・・・吸えねーよ。つか五本でも無理だろ。
何、どした、ハゲ坊主。
またライター失くしたか。
アンタほんとにボケてきてンじゃねーの?
しゃーねーなぁ。
ちっと待ってな。
コレ吸い終わったら持ってってやっから。
・・だから、ちょっと待てっつってんだろ。
何でそんなに気ィ短いのよ。
お前も少しはオレの存在の有り難味を噛み締めろや。
あー、ハイハイ。
ワカリマシタ、ワカリマシタヨ。
今すぐ行きますよ、行きゃあイイんだろ。
まずは横向きになって、と。
ぜーぜーぜー。
・・・・・ちょっと一休みだ。
よし、次は何だ。手を着きゃいいのか。
くそっ、力入ンねぇ。
頑張れ、オレ。
で、足だな。
そーそー、イイ感じよ。
立て!立つんだ!ごジョー!
・・・・・・・・なんてな・・・
っこらしょっと。イテテテテ。
何かジジくせぇな。
あ?
だから今こーやって立っただろーが。
あのなぁ、スゲー痛ぇんだぞ。
頑張っちゃってるオレを褒めてくれてもイイんじゃね?
って言うだけ無駄か。
ンで左足を前に出して。
おっとっと、ここでコケちゃ元も子もねぇ。
次は右足、っと。
おー、歩けるじゃん。
やるな、オレ。
まだまだイケそーじゃん。
おーし!
ンじゃ、笑顔が怖ぇお兄サンと食欲旺盛な小猿チャンと、それから金髪タレ目のクソ坊主の顔でも拝みに行くとすっか。
・・・そーいや、さっき“遣り残したこと”とかって寝言言ったな。
ま、誰か聞いてた訳じゃなし。
言わなかったことにしとけ。
本番の為の予行演習ってのでもイイしな。
・・・・・・・・・・本番でもアイツの顔、浮かんでくンのかね?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・