この星は一年中雪に埋もれている。

空も大地も空気も凍るように冷たい。

 

小鳥が一羽。

黄金の羽根を持つ小鳥。

一日中、囀り、飛び回り、煩い事この上ない。

一体何処から飛んでくるのか。

生き物のいなくなったこの星でどうやって生き永らえているのか。

この星の何処が良くて留まり続けているのか分からないが、

それはこの小鳥自身が決めること。

いつかこの小鳥も飛び立っていくのだろうか。

今は煩くて適わない、などと思っているが、

いなくなればなったでやはり少し寂しく感じるのだろう。

 

周りを見渡す。

一際大きく、紅く輝く星がある。

嫌でも目に入る、大きく紅い星。

この星に一番近いのだろう。

他の星から見ると隣に並んでいるように見えるに違いない。

 

例え黄金の小鳥が去ったとしても、

あの星は隣に在り続ける。

 

紅い星が呼んでいるような気がする。

 

 

 

呼ンデイル

手を伸ばす

 

声ガキコエル

耳を澄ます

 

 

 

そして隣を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

変わらぬ紅が其処に在る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この星は一年中暑い。

じりじりと焦がすような暑さだ。

 

魚が一匹。

翠の鱗を持つ魚。

この魚はいつも穏やかに泳ぐ。

まるで笑顔を振り撒くかのように悠々と。

魚だから表情は無いのかも知れないが自分には分かる。

この魚はキレると怖い。

それでもいつもと変わらず泳ぐのだから要注意だ。

この暑い星でこの魚が住む湖だけは岩陰になり地熱も他ほどではない。

たった一匹いる魚。

この魚だけは、この湖だけは守りたいと思う。

魚の寿命は何年なのだろう。

 

周りを見渡す。

一際大きく、紫に輝く星がある。

嫌でも目に入る、凛とした紫。

この星に一番近いのだろう。

他の星から見ると隣に並んでいるように見えるに違いない。

 

もし翠の魚がいなくなったとしても、

あの星は隣に在り続ける。

 

紫の星が呼んでいるような気がする。

 

 

 

呼ンデイル

手を伸ばす

 

声ガキコエル

耳を済ます

 

 

 

そして隣を見る。

 

 

 

 

 

 

 

 

変わらぬ紫が其処に在る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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