Days −?、!−
三蔵と悟浄の小競り合いが多くなった。
いつもきっかけは些細な事だ。
悟浄が三蔵に触れたとか、
俺と悟浄の喧嘩が煩いだとか。
悟浄の夜遊びの帰りが遅かったってのもあったな。
今も罵り合っている。
今日の原因は何だったっけ?
ああ、そうだ。
確か悟浄が三蔵に「三蔵ってやっぱ男にモテんのね」なんて言ったからだ。
どうやら三蔵の容姿が男の気を惹くらしい。
三蔵だって男なのにな。
三蔵が『エロ河童』『体力バカ』と言えば、悟浄が『生臭坊主』『ハゲ』と返す。
ものすごーく低レベルな喧嘩だな。
俺も今度から気を付けよう。
その内、三蔵が手を出すぞ。
ハリセンか蹴りか。
あ、やっぱ出た。
だけど悟浄はやり返さないよなぁ。
蹴られた脚を擦りながら言い返してる。
って、何で悟浄はああなるって判ってンのに三蔵に構うンだろうな。
悟浄は痛いのが好きなのか?
俺はぜってぇ嫌だけどな。
何でもいいけど、あの二人ここが街の大通りだって事忘れてるよな。
黙って歩いてても目立つのに。
ほら、通りすぎる街の人が見てるじゃんか。恥っずかしー。
三蔵の白い法衣と悟浄の紅い髪。
今気付いたけど何かメデタイ組み合わせだな。
紅白だぜ、紅白。
「悟空、あそこの肉まん買ってきましょうか。美味しそうですよ。今なら三蔵気付きませんから」
隣の八戒が前を歩く二人を目線で指しながら声をかけてきた。
あぁ、そうか。
小競り合いが増えたんじゃない。
八戒があの二人を止めるタイミングが遅くなったんだ。
八戒は微笑んで俺を見てる。
この微笑は『怖い』方のじゃない。
八戒は笑ってる。
悟浄は今のところ五体満足だ。ついでに触覚も無事だ。
それに、ああ見えて三蔵の機嫌もそんなに悪い方じゃない。
俺も三蔵に怒られること無く肉まんが食える。
なら、いっか。
「おう、食う!」